“産着” 真っ白な絹で レンタル始めてから購入者増加(産経新聞)

 ■お宮参りの正装として好評

 生まれたばかりの赤ちゃんが初めて袖を通す産着に、真っ白な絹の着物が好評だ。「絹が輝いて子供が玉のよう」「丈夫でまっすぐ育つアサの紋様に健康を祈った」。赤ちゃんを抱く親や祖父母から、お宮参りの正装にもなると喜ばれている。ベビー服に押され、廃れつつある絹の産着をきっかけに新しい家族を迎える笑顔があふれている。(牛田久美)

 ◆魔よけの“背守り”

 真っ白な絹の産着を仕立てているのは東京都江戸川区、和服仕立て職人、内田勝己さん(90)。三笠宮家や高松宮家のお着物のほか、横綱双葉山、初代若乃花、栃錦ら角界力士、歌舞伎役者らの和服を仕立ててきた。今も現役だ。

 絹の産着は、廃れつつあることを憂う勝己さんと、長男の仕立て職人で着物仕立て販売業「真和」(TEL03・3657・4513)社長の勝三さん(59)が復活に取り組んでいる。水天宮などでチラシを配っても反応は思わしくなかったが、レンタルを始めてから「絹の輝きを受けて一層かわいらしく感じた」「『この子のために頑張っていこう』と、親としての幸福と責務を強く感じた」などの感想が寄せられ、購入者も増えてきたという。

 退院時の着用のほか、命名のお祝い、親類や友人への初お披露目、お宮参りの正装としても好評。絹は国産で、背にはアサの葉の背紋がある。「虫がつかず丈夫でまっすぐ育つアサにあやかり、江戸のころから背に縫った」(勝己さん)。産着は1枚の生地で仕立てるため、後ろから魔物が入り込まないよう魔よけとした“背守り”だという。

 初孫に産着を贈った和歌山県海南市の主婦、山本衿子さん(51)は「次の子が生まれたらまた贈りたい。代々着てほしい」。孫への贈り物が多いことについて、勝三さんは「親子のきずなが薄れている今、3世代の交流に着物が役立つのはうれしい」。

 ◆リメークも特徴

 勝三さんは昨秋、奥村晋・元少年鑑別所長の講演で「祖父母は子の現在を見て、両親は子の未来を見ている」と聞き、父、勝己さんの顔を思いだした。

 「昔、弟子が生地を裁ち間違えると、父は『だーいじょうぶ、だいじょうぶ』と笑って、泣きじゃくる弟子のそばで弁償や代替の反物のことを考えた。現代の子供も、子供のためにしかる親と、『だいじょうぶ』と受け止めてくれる年長者ら多くの見守りの中で育ってほしい。産着で優しく包み、みんなで抱いて話しかける、すべてのコミュニケーションはここから始まるのではないかと思います」

 ちなみに、お宮参りで絹の産着の上に掛ける色物の女児の掛け着は、肩と腰を縫いつまみ、袖に丸みをつけると3歳の七五三でも着ることができる。着物はこうしてリメークできるのが特徴で、花嫁の白い打ち掛けも後に産着に作り直すことを考えた習慣だった。

 絹の産着は4万8千円からで、レンタルは3泊4日で9450円。

                   ◇

 ■綱渡り状態の着物産業

 きもの流通新聞の安仲徹男社長によると、着物の小売市場は昭和50年代前半の2兆3000億円をピークに、平成21年までに約3500億円まで縮小した。とりわけ、サブプライム問題が表面化した一昨年夏以降はかなりの落ち込みという。

 絹の産着について、安仲さんは「市場規模は小さいが、お宮参りを継承しようという家が増えているようだ。着物産業は染め、洗い、仕立てなど完全に分業で成り立ち、綱渡りの状態。これ以上需要が減ると技の継承が難しいところまで来た」と話している。

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